俺様彼氏はShy Boy?

あなたの温もり



海斗に抱きついたまま、時間だけが過ぎていった。

外はいつの間にか真っ暗になっていて、時間を確認して驚いた。

時計の短針が8を指してる。


いくらなんでもこれは……


ゆっくりと海斗から身体を離して、彼の表情を窺うように覗き込む。

怒ってはいないようだけど、呆れてる?


それもそうだ、2時間近く海斗に抱きついたままだったのだから。

よく引き離されなかったな…なんて思ってると。

フッと、笑う声が耳元で響く。


「ゴメンね、海斗…」


申し訳なさそうに少しだけ俯くと。


「何が?」


海斗からはそんな答えが返ってくる。


「もうこんな時間になっちゃったから」


せっかくの二人きりの時間。

ご飯も食べずにこんな時間なことにショックを受けてる。


海斗とバイバイしなくちゃいけない時間が、刻々と迫っている。


離れたくない、と。

もう一度海斗に抱きつくと。

海斗も同じようにあたしを抱きしめてくれた。


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