俺様彼氏はShy Boy?
「なぁ比奈…」
「ん、なに?」
「…腹減った」
抱きしめられたままだから顔が見えない。
でも、その声があまりにも弱々しく聞こえて。
それが可愛くて仕方ない。
ギュッとさらにしがみつく。
海斗のフワフワの髪が顔にかかって、それがくすぐったくて。
彼の匂いがあたしを包み込む。
「なぁ」
「ん?」
今日の海斗はずいぶんと甘えん坊。
「俺は気にしないけどさ…」
「え?」
「胸、ずっと当たってて苦しいんだけど」
「えっ!?」
ガバッと海斗から離れると。
ニヤリと笑う海斗とが目が合う。
「なっ…変態!」
「自分から押し付けてきたくせに」
呆れた、と溜息を吐く海斗に。
さっきまでの甘い雰囲気がぶち壊されて、ムスッとするあたしをククッと笑う。
「信じらんない……」
もう…とあたしまで溜息。
でも、お互い見つめ合うとクスリと笑みが零れる。