俺様彼氏はShy Boy?
海斗を起こさないように。
抱きしめられた腕からそっと抜け出し起き上がろうとすると。
パチリと開いた海斗の瞳が、あたしを怪訝そうに見ていた。
「あっ……」
「あ、って何?」
朝から不機嫌。
寝起きの悪いのは知ってたけど、思っていた通りでクスリと笑ってしまう。
「おはよう、海斗」
よく眠れた?
問いかけると、何も言わずにあたしに背を向けてしまった。
いつもの海斗だ。
やっぱり、昨日の眠りにつく前の甘い海斗は夢だったのかもしれない。
仕方ないと諦めて、もう一度ベッドから起き上がろうとすると。
海斗の手が伸びてきてそれを阻止しようとする。
「どこ行くんだよ」
口調はきついのに。
顔だけ振り返ってあたしを見るその瞳は、どこか不安そうでユラユラ揺れて見える。
「まだ、寝てていいよ?」
ベッドに腰掛けた格好で、横になってる海斗を覗き込むように見ると。
サラサラと髪が落ちてい顔を隠す。
その髪を掻き分けて、見つめ合う。
二人の距離、数センチ。