俺様彼氏はShy Boy?
朝ごはんに、トーストとハムエッグ。
レタスときゅうり、トマトのシンプルなサラダ。
これに、あったかいカフェオレ。
うちの定番の朝ご飯。
カップを包み込むように持ち、湯気の立ち上るカップを眺めてた。
ユラユラと揺れる湯気の向こうには、黙々とトーストにかぶりつく海斗の姿。
無表情なのは、いつもの海斗だけど。
少し気を抜くと、海斗の唇ばかりに目がいってしまう。
あの唇に何度もキスされて、そのたびに海斗に堕ちていく自分を思い出して。
また馬鹿みたいにドキドキするの。
そんな自分に苦笑いするしかなかった。
それを隠すために、カップに顔を近づけたり離したりを繰り返す。
「…なに、やってんの?」
呆れた声。
怪訝な瞳があたしを見据え、はぁ…と溜息まで吐いてくれる。
甘さなんて、どこにもない。
やっぱりこれが、いつもの海斗だ。
クスっと笑うあたしに。
奇妙なものでも見るような冷めた瞳を向けられた。
「な、なんでもない…」
カタン、と音を立ててカップを置くと。
海斗の視線もそれを追うように下がる。