俺様彼氏はShy Boy?
「……喜んでくれるといいな」
フフッと笑う、あたしを不思議そうに見下ろすけど。
なんでもない、と小さく左右に首を振る。
もう興味なさそうに前を向いて歩いてく。
今はまだ内緒。
海斗の家でケーキにろうそく立てて、やっぱりバースディソング歌って。
それからあげるの。
そんなベタなお祝い、きっと嫌がるけど。
だけど、あたしがしてあげたいから。
だから、冷たい視線にだって負けないんだ。
海斗の隣に並んで歩きながら。
そんなことを思う。
よく晴れた5月の青空。
海斗から手を伸ばして、あたしの手を掴んで歩く。
クイッと口角を上げて不敵に笑う海斗だけど。
あたしを見つめる瞳はいつも以上に優しくて。
それだけでいい。
海斗のとなりにいられるだけで、あたしは幸せなんだ。
海斗の家までの道のり。
キュッと繋がれた手は離されることはなかった。
繋いだ手のひらから。
海斗の温もりと一緒に幸せが、あたしの身体に浸透した。