俺様彼氏はShy Boy?


海斗だってそう。

お母さんのことを無視して2階の自分の部屋にあたしを引きずるようにしながら上がっていったけど。

右手にはしっかりケーキの乗ったトレイを持っていた。

素直じゃない海斗だもん。

本当はこのケーキが嬉しいのに、素直に喜べないのもなんとなく想像できる。


文句を言いながらもケーキを完食する海斗を見て。

クスクスと笑ってしまう。

そんなあたしを、海斗が睨みつけてくるけど。

どうしてだろう。

全然怖くないから不思議。


いつものように海斗の部屋で、ベッドを背もたれにして並んで座って。

特に何をするわけでもなく、だけど二人同じ時間を過ごす。

テーブルの上には、ケーキを食べ終わったお皿と、あたしがあげたプレゼントのお財布。

それを見て嬉しそうに微笑む海斗の横顔を見たら嬉しくてつい口許が緩んでしまう。


コテッと海斗の肩に頭を乗せて。

お互いの手を絡めて恋人つなぎ。


この先も、海斗の隣にいるのはあたしだったらいいのに…と。

そう願いながら、海斗の横顔にキスをした。


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