俺様彼氏はShy Boy?


結局、気に入ったワンピースは見つからなくて。

二人でおそろいのシュシュを買っただけだった。

あとは、薄いピンクの色つきリップ。

桃の甘い香りのするそのリップは、未来のお気に入りなんだ。


「そのリップを塗ってる時の未来の唇、すごくおいしそうに見えるんだよね~」

「ひ、比奈! 何言ってるの~」

「プルプルで甘い香りだなんて、最高でしょ?」


そんなふうに未来をからかっていると、真っ赤な顔して膨れっ面をする。

そんな未来があまりにも可愛くて。

思わず抱きついてしまいそうになる。


「あたし…そんな趣味ないから!!」


あたしの行動が読めたのか、自分の体を守るように腕を胸のあたりでクロスして。

へんなものでも見るような視線であたしを見据える。


「未来は拓也くんだけだもんね?」


その言葉に、火を噴いたように真っ赤になる未来は。

相変わらず可愛いと思った。


「比奈…あのね?」


急に改まった未来に、あたしも慌てて姿勢を正す。


「あのね…」


モジモジする未来を見て。

そんなに言いづらいことなんだろうか。


「今度、遊ぼうって」

「ん?」

「…拓也くん」

「えっ…!?」

「今度は二人で遊ぼうって」


恥ずかしそうにそう言う未来を見て、あたしは場所も考えずにはしゃぎまくる。

そんなあたしに、未来は『恥ずかしいからやめて』と言ってるわりには嬉しそうに微笑んでいた。


< 172 / 479 >

この作品をシェア

pagetop