俺様彼氏はShy Boy?
結局、気に入ったワンピースは見つからなくて。
二人でおそろいのシュシュを買っただけだった。
あとは、薄いピンクの色つきリップ。
桃の甘い香りのするそのリップは、未来のお気に入りなんだ。
「そのリップを塗ってる時の未来の唇、すごくおいしそうに見えるんだよね~」
「ひ、比奈! 何言ってるの~」
「プルプルで甘い香りだなんて、最高でしょ?」
そんなふうに未来をからかっていると、真っ赤な顔して膨れっ面をする。
そんな未来があまりにも可愛くて。
思わず抱きついてしまいそうになる。
「あたし…そんな趣味ないから!!」
あたしの行動が読めたのか、自分の体を守るように腕を胸のあたりでクロスして。
へんなものでも見るような視線であたしを見据える。
「未来は拓也くんだけだもんね?」
その言葉に、火を噴いたように真っ赤になる未来は。
相変わらず可愛いと思った。
「比奈…あのね?」
急に改まった未来に、あたしも慌てて姿勢を正す。
「あのね…」
モジモジする未来を見て。
そんなに言いづらいことなんだろうか。
「今度、遊ぼうって」
「ん?」
「…拓也くん」
「えっ…!?」
「今度は二人で遊ぼうって」
恥ずかしそうにそう言う未来を見て、あたしは場所も考えずにはしゃぎまくる。
そんなあたしに、未来は『恥ずかしいからやめて』と言ってるわりには嬉しそうに微笑んでいた。