俺様彼氏はShy Boy?
宣戦布告
「ねぇ、これ自分でやったの?」
興味津々とばかりに、あたしの髪を見てワクワクと胸を弾ませる友だち。
使い慣れてないアイロンで必死に作ったウェーブを褒めてもらえると、なんだか嬉しくなる。
「朝早く起きちゃって時間があったから」
そう言うあたしに、みんなは声をそろえて『可愛い~』と言ってくれる。
それだけで、なんだか気分が良くなるから不思議。
それから数分後、未来が教室に入ってくるのが見えて。
あたしのまわりに群がる友だちをみて、不思議そうに首を傾げた。
「なに、なに。何かあったの?」
ニコニコ笑顔の未来が近づいて来るのがわかって、あたしも笑顔で待ち構えていると。
ニコニコしていた未来は、あたしを見るなり『えっ?』と驚いた顔をする。
「未来、おはよう。ねえねえ、比奈メチャクチャ可愛くない?」
興奮中の友だちに、一瞬引きつった笑みを作ったような気がしたけれど。
すぐにいつもの未来に戻って。
「誰かと思ったよ」
なんて、あたしの肩を叩いて冗談っぽく言った。
叩かれた肩は、ジンジンする。
だけど、表情を崩さずニコニコしていた。