俺様彼氏はShy Boy?
信用してるのか、と聞かれたら。
『はい』とは言えない。
だけど、信用してないのか、と聞かれたら…
まだどこかで、海斗のことを信じたい気持ちがあって。
信じたくても信じられない。
そんな気持ちが、頭の中をモヤモヤさせる。
身体を重ねることが愛情のすべてだとは思ってない。
でも、あたしたちの始まりが“それ”だったせいで。
付き合い始めてから今まで、一度もそういうことがないことに不安は膨れていくばかり。
その上、美佳にあんなことまで言われて……
あたしは、どうしたらいいのかわからなかった。
何も答えないあたしに。
海斗は近くにあった折りたたみの椅子をドカッとすごい音を立てて蹴り飛ばした。
その音にビクッと肩を震わせて、小さな震えを抑えるために両手をしっかりと握る。
「なんなの、おまえ。今朝はケバイ格好してきて、充と二人っきりになるなっていたのに、保健室で手を握って?
仕舞いには、意味わかんねぇことで俺を疑って…」
その声はいつもより低い声で、刺々しいのに。
海斗の瞳は、今にも泣き出しそうだった。
傷つき、悲しんだ瞳をしてる。
その瞳に真っ直ぐに見つめられて。
あたしは『やっぱり信じたい』という思いと葛藤してしまうんだ。