俺様彼氏はShy Boy?


だけど、今ここで海斗を信じて何もなかったことにするのは、違う。


昼休みに、未来に言われた言葉を思い出して。

あたしは揺らぎそうな気持ちに蓋をした。


「疑われるようなことをしたのは海斗でしょ?」


涙を堪えて、海斗を真っ直ぐに見た。


「昨日、ホテル街に歩いていく海斗と美佳を見たの」


あたしの言葉に、一瞬だけ瞳を大きく見開いたような気がした。


「あそこで、何してたの?」


海斗は、何も答えてはくれなかった。

いつもそう。

自分の都合が悪くなると、何も言ってくれなくなる。

自分は、あたしがミッチャンと二人きりになったことを責めるくせに。

あたしが何も言わないと、すぐにキレるくせに。


やっぱり海斗は。

何も答えない…


ねえ。

それって、肯定ってこと?


「もういい、別れる。海斗と一緒にいてもツライだけだもん。海斗の気持ちが全然わからない…
あたしのことちゃんと好きなのかさえ、わからないよ」


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