俺様彼氏はShy Boy?
止まったはずの涙がまた、瞳にたまってくるのがわかった。
キリッと睨みつけた、あたしの瞳には今にもこぼれそうな涙。
その先には、今にも泣き出しそうな海斗……
ずるい。
そんな顔、ずるすぎるよ。
この空間に一緒にいることが耐えられなくて。
あたしはその場所から逃げだしたくてその場に立ち上がった。
だけど、海斗はそんなあたしをすんなり帰すわけがなかった。
「待てよ」
「いやっ」
「話聞け!!」
「聞かない!! 今、何聞いても信じられない!!」
嘘。
海斗に「誤解なんだ」と言われたら。
あたしはバカだから、それを信じてしまうかもしれない。
だから、何も聞きたくない…
「離して!!」
掴まれた腕を思い切り振りほどいて、あたしは保健室から出て行った。
「俺は別れないからな!!」
海斗の怒鳴り声が、背中から聞こえてくる。
その声を聞きたくなくて耳を塞いだけれど。
海斗の声はしっかりと聞こえてしまう。
だからなのか、あたしの涙は堰を切ったようにあふれ出す。
『俺は別れないからな』
どうして、海斗はそんなことを言ったのか。
海斗が何を考えているのか。
まったくわからなかった。