俺様彼氏はShy Boy?
二人の関係
「比奈!! どこに行ってたの!!」
教室に戻ると、あたしのところへ駆け寄ってくる未来の姿が見えた。
あたしは、未来に向かって何もなかったように振舞う。
「眠くなっちゃったから、図書室でサボっちゃった」
そう明るく言うあたしを、未来は怪訝そうに見つめていた。
それもそうだ。
未来をトイレに置いたまま消えて。
未来からの着信もメールも無視。
海斗から逃げたあたしは、そのまま教室になんて戻れるわけもなくて。
泣きながら駆け込んだのは図書室だった。
誰もいない図書室で、あの後も泣き続けたあたしの目は見られたもんじゃない。
腫れてパンパンになった目は、誰が見ても泣いたとわかるだろう。
これでも一応冷やしてはみたんだけど。
あまり意味がなかったみたい。
そんなあたしを見て、未来は咄嗟にあたしの手を引いて教室から出て行った。
その手はいつもよりも力が入っていて、少し痛いくらいだった。
「……バカ。そんな嘘、バレバレだって」
その声は微かに震えていて、未来の手にさらに力が入る。
「未来が泣くことないじゃん」
「泣いてない」
やっぱり未来の声は震えていた。