俺様彼氏はShy Boy?


「もう、海斗と一緒にいるのがツライの」


そう言うと、また涙が出そうになった。

だから慌ててタオルで隠す。


身体は小さく震えてる。

少し前は別れたくないと涙を流し。

今は、一緒にいるのがツライと涙を我慢して。

自分でも、どうしたらいいのか、どうするのが正解なのかわからなくなっていた。


そんなあたしに、未来は小さく溜息を吐いた。


「…比奈らしいと言えば比奈らしいけど」


フッと苦笑して、あたしの頭にそっと手を乗せる。

その温もりに、我慢できずにじんわりと目頭が熱くなるのがわかった。


「…海斗くんも、教室に戻ってこなかったよ」

「そうなんだ…」

「美佳もね、いなかった」

「…そう」

「ねえ、美佳に何か言われた?」


未来の言葉に、ビクッと震える身体。

やっぱり…と、未来の手があたしの頭をポンポンと撫でた。


「トイレに美佳がいたから、もしかしたらって思ったけど」


あたしからタオルを奪い、そっと視線を合わせた。


「何、言われたの?」


未来の瞳は真剣で、その瞳にはゆらゆら揺れるあたしが映って見えた。


情けない顔。

みっともない顔。

不細工な顔。


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