俺様彼氏はShy Boy?


あまりにもひどい顔だったため。

その日はそのまま帰ることにした。

未来が担任にあたしの具合が悪いと言ってくれて。

教室からあたしの荷物を持ってきてくれた。


「一緒に帰ろうか?」


そう心配そうにあたしを覗きこむ未来に。

小さく左右に首を振って『大丈夫』と呟く。


「ちゃんと真っ直ぐ帰るんだよ?」

「わかってます」

「家に着いたらメールしてね」

「はいはい」

「…もう、心配してるんだからね」


わかってるよ。と未来を見遣ると。

未来の瞳が微かに潤んでいた。


「大丈夫だよ、帰ったらメールするね」


未来に見送られて学校をあとにする。

未来にこれ以上心配かけたくなくて、未来が見送ってくれてる間はシャンと背筋を伸ばして歩いたけれど。

校門を出てはじめの角を曲がると、その場に立ち止まって視線を足元に落とした。

肩に入っていた力がフッと抜けて、脱力する身体はフラフラだった。


疲れた……

今日一番の溜息に自分自身が飲み込まれてしまいそうだった。


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