俺様彼氏はShy Boy?
ゆっくりと歩き出して、いつもの倍以上の時間がかかって家に着いた。
途中、未来からの心配メールが来たので『今、着いたよ』と嘘のメールを送った。
家には誰もいなくて良かったと思う。
だって、こんな泣き腫らした顔を親になんて見られたくない。
部屋に入ってベッドにゆっくりと腰を下ろした。
ギシッとベッドが軋む音が、静かな部屋にやけに響く。
ふと、ベッドの近くにあるチェストに視線を向けると。
そこにおいてある鏡に自分の姿が映った。
疲れきった顔に、腫れた目。
ボサボサの髪。
情けない顔をした自分。
見ていられなくて、そっと手を伸ばして鏡を伏せた。
疲れた。
今は、なにも考えられない…
制服のポケットにしまってあったケータイが震えていることに気がついたけれど。
それを確認することはなく、そのままベッドに横になる。
こんなときでも眠くなる。
ほとんど眠っていなかった上に、かなり泣いたせいだろうか。
頭がガンガンして、目をつぶるとグルグルと目が回る。
なにも考えたくない。
今は、とにかく眠りたい…
これが夢で、起きたら何も変わらず笑ってられたらいいのに。