俺様彼氏はShy Boy?
引きずるように歩きながら部屋を出て。
シャワーを浴びる前に、キッチンへ向ってヨーグルトを食べて。
そのあとにシャワーを浴びて学校の用意をする。
髪はただ真っ直ぐに下ろしただけで。
メイクほとんどしていない。
冴えない地味な姿。
これがいつものあたしだ。
「行ってきます…」
「あら、朝ごはんは?」
「ん、いい。さっきヨーグルト食べたから」
そのまま学校に行こうとするあたしに声をかけてくれたお母さんと目を合わすことが出来なかった。
腫れは引いたはず。
だけど、不安定なこの表情を見せて心配されるのも嫌だった。
「そうなの? はいお弁当」
「ん、ありがと…行ってきます」
結局、ヨーグルトを食べただけで家を出た。
学校までの道のり、やっぱりクラクラするような気がしたけれど。
それは朝から嫌になるほどの快晴で日差しが強いからに違いない。
学校に着くと、未来がいつもより早く教室の中にいて。
あたしを見るなりホッとした顔をして駆け寄ってきた。
そんな彼女に、ヒラヒラと力なく手を振りながらどうにか笑顔を作った。
「比奈、おはよう」
未来の温かい笑顔になんだか心がホッとする。
「メールしても返事ないし、いつもより早く着ちゃった」
そう言って、顔をクシャッとさせて笑う未来に。
あたしはなにも言わずに抱きついた。