俺様彼氏はShy Boy?
自分の居場所
「ねぇ比奈。最近どこに行ってるの?」
ある日の放課後、帰り支度をしていたあたしに近づいてきた未来。
その表情は少し不機嫌だった。
まあ、そうだよね。
そろそろ、聞かれる頃だとは思っていた。
最近のあたしは、海斗のいる教室にいたくなくて。
休み時間のたびに教室以外の場所で過ごすことが多かった。
だいたい屋上か、図書室か、中庭。
…たまに、保健室。
毎週水曜と金曜は、自然と足が保健室に向ってしまう。
「うん、いろいろ」
未来を誘うことも考えなかったわけじゃないけれど。
一人になりたかったのも事実。
曖昧な答えしかしないあたしに、未来は盛大な溜息を吐いた。
「たまにはあたしも誘ってよ?」
ポンと叩かれた肩。
未来を見遣ると、まったくと呆れたように眉を下げ。
でもその瞳は温かかった。
「また、高藤先生のところ行ったんだって?」
「えっ…どうして?」
「充くんが保健室に入っていくのを見たって」