俺様彼氏はShy Boy?
そう思って悲しくなることも、だんだん薄れていった。
今は、前ほど気にならない。
だから、こうやって昼休みに教室にいることができるようになったんだけど。
それでも、たまに視界に入る海斗を見ると胸がギュッと締め付けられる。
海斗の耳についている赤と黒のピアス。
あたしとお揃いのピアスがキラリと光るたびに、泣きたくなるほど切なくなった。
だって、あたしの耳にも未だについている赤と黒のピアスは。
はずすことが出来なかったんだ。
もしかしたらと、心のどこか奥の方でまだ期待しているのかもしれない。
海斗もまだ、あたしのことを少しでも思い出してくれることがあるのかもしれないって。
結局は、頭の中は海斗のことでいっぱいだった。
そんなに簡単に消せるような思いなら、こんなにも苦しむことはなかったのに。
本当は少しだけ後悔してる。
ちゃんと海斗の言葉を聞こうとしなかったから。
海斗があの時何か言おうとしてたこと。
ちゃんと聞いてたら、何か変わってたのかな…
昼休みが半分過ぎた頃。
未来は委員会の仕事があるからと教室を出て行った。
結局、未来の質問には曖昧な答えしか出来なかった。