俺様彼氏はShy Boy?
その日の放課後。
未来は用があるからと、足早に帰っていった。
あたしはというと…担任に捕まって。
「保坂、暇だろ?」
そう言って押し付けられた教材。
「これから職員会議があるから、それを教材室へ返しておいてくれ」
頼んだぞ、と。
あたしの有無を聞かずに、そのまま慌てて教室を出て行く担任の背中を眺めて。
「…はぁ」
小さな溜息。
教室にはもうほとんどの生徒が残ってなくて。
この大量の教材を一人で運ぶのかと思ったら笑えてきた。
「…いったい、何往復すればいいのさ」
そうは言っても、そのまま置いて帰ることなんて出来なくて。
出来るだけたくさんの教材を手に持って。
前が良く見えないけれど、そのまま教室を出て行こうとした。
だけど、一歩教室から出たとたん。
両手の教材はあたしの手からヒョイッと取り上げられて。
「えっ…!?」
急に軽くなった手は不自然に上げたまま、ポカンと口を開けて。
左側へと視線を動かしていく。