俺様彼氏はShy Boy?
そんなの、あたしが心配したって仕方ないのに。
そんなの、海斗にとったら迷惑なのもわかってるのに。
あたしはもう、彼女でも何でもないんだから。
でも、たまに海斗のこめかみを押さえる仕種を見かけたから。
ずっと、心配だった。
「頭、痛くない?」
そう言って、海斗を見上げた。
そこには、さっきまで決してあたしを見ることのなかった瞳が向けられていて。
その瞳で、切なく歪んだ笑みを作ってた。
あたしはその瞳から逃げるように視線を逸らした。
海斗に見つめられただけで、こんなにも心臓がバクバクとうるさい。
結局、そのあと海斗は口を開くことはなかった。
あたしのほうを見ることもなかった。
海斗と目が合わないことにホッとしてる自分と。
本当はもっとあたしを気にかけて欲しいと思う気持ち。
複雑に入り組んで、あたしの頭の中はグチャグチャだった。
海斗の横顔を盗み見してみても、何を考えているのかまったくわからなくて。
海斗は何を思ってここにいるのか。
どうして手伝ってくれたのか。
いつもならすぐに帰ってしまう海斗が…
どうして遅くまで学校に残っていたのか。
いろんな疑問が押し寄せてくる。