俺様彼氏はShy Boy?
これ以上、あたしを惨めにして。
美佳は何がしたいのだろう…
そう思いながら、美佳へと視線を送ると。
ニヤリと不気味な笑みをしたあと、急に真顔になる。
「あんた、いい加減にしたら?」
そう言って、あたしに詰め寄ってくる美佳。
いい加減にしたら?…って、いきなりなんだって言うの。
まったくわからなくて、何も反論できずにいると。
「海斗の弱み、握ってるんでしょ?」
思いがけない美佳の言葉に、唖然とするしかなかった。
「今まで、あたしに堕ちなかった男なんていなかったのに…
調子にのるなよ。たいして可愛くもないし、こんな幼児体型…女じゃないし。
…なのに、海斗に高藤先生にチヤホヤされて調子のってんじぇねえよ」
すごい剣幕であたしを睨む。
怒りに狂ったようなその顔に、背筋が凍りそうな思いだった。
「あんた見てるとイライラする」
その言葉。
そのまま美佳に返してやりたい。
だけど、これ以上美佳を逆なでするのは避けたいと。
すぐそこまで出掛けた言葉を飲み込んだ。
その代わりに、鞄を握る手にギリギリと力が加わっていった。