俺様彼氏はShy Boy?


しばらくピアスは出来そうにない。

これがいい機会なのかもしれない。


そう思ってるくせに。

小さな巾着に大切にしまってるピアスが、あたしの制服のポケットに入ってるなんて。

お守りのように持ち歩いてるなんて。

そんなこと、未来にだって言えない。


いい加減、未練がましいって。

何度思っても、何度忘れようとしても。

こればかりは、どうにもならないことがわかって。


だったら、変に忘れようとしなくたっていいんじゃないかって開き直った。


そんなあたしを“ヘン”だと思う人だっているかもしれない。

ウザイって思う人だっている。

現に、美佳はそんなあたしにイライラするって言ってたわけだし。


背中に感じる視線。

それはきっと海斗と美佳の二人だろう。


昨日の今日で、美佳は何を思っているのだろうか。

今、海斗は、何を思ってあたしに視線を注いでいるのだろうか。


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