俺様彼氏はShy Boy?


昨日のことを思い出して。

ドキドキと鼓動が速まったのは。


機能の放課後に見た海斗の横顔、その時チラリと見えた左耳には。

赤いピアスがまだついていたからだ。


海斗が欲しいと言ったあたしのルビーのピアス。

まだ着けていてくれたのだと思ったら、胸がギュッと締め付けられて。

もしかしたら…なんて、変な期待がほんの少しココロに生まれてしまったからだ。


見間違いかもしれない。

同じようなピアスなんて、たくさんあるし。

たまたま昨日は赤いピアスだっただけなのかもしれない。


きっと、何にも考えずにつけてるだけ。

ただ、それだけ。

深い意味なんてない。


そんなこと、わかってるよ。

海斗の手を離したのは自分自身だ。

もう、変に期待するのはやめよう。


そう思いながら、どんなに視線を感じても決して振り返ることはなかった。


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