俺様彼氏はShy Boy?
瞳に見えるもの
教室に戻ると、いつもと教室内の雰囲気が違った。
静かというかなんというか、険悪な雰囲気にも感じる。
さっきまで、みんなで楽しそうに笑いながら作業していたはずなのに。
そのシーンとした教室に足を踏み入れるのに、すごくドキドキした。
「…何があったの?」
足音を立てないようにそっと未来に近づいて、未来に耳打ちをする。
その声ですら、教室に響いてしまうんじゃないかってくらい静まり返っていた。
あたしが戻ってきたことにホッとしたのか、少し強張っていた表情が緩む未来は。
眉を下げて曖昧な笑みをこぼし、小さな溜息を吐いた。
「よくはわからないんだけどね…」
チラッとどこかを見てから、あたしの耳元で少し躊躇したように囁いた。
「須藤くんが…」
海斗が?
「珍しく、キレちゃったんだよね」
えっ…?
思ってもいなかった言葉に、口を開けたまま止まってしまう。
未来の言葉にビックリしすぎて何も言えなかった。
だって、海斗が学校で本気でキレるなんて今までもそうそうなかった。
学校の外でも、機嫌が悪くなることがあったとしても。
怒鳴ったりすることなんてほとんどなかったのに。
いったい何があったのだろう…