俺様彼氏はShy Boy?
たくさんの方が訪れて、楽しそうな話し声や笑い声が校内に響き渡っていて。
ここの当番が終わったらどこへ行こう。
そんなことを考えては、入り口のほうへとチラチラと視線を送る。
ミッチャンのところのたこ焼きを買って。
まずは腹ごしらえ。
それから、未来の弟くんのクラスのメイド喫茶にも行ってみたいし、体育館で行われてイベントも覗きたい。
校庭でやってるほかのクラスの模擬店や、軽音部がやってるミニライブ。
演劇部も見に行きたい。
考えるだけでワクワクする。
高校最後の文化祭を、楽しみたいって思うんだ。
だけど、そんなにうまくはいかないみたい。
ずっと我慢していた溜息が、つい零れてしまう。
「ねぇ、ねぇ。ここの場所に案内してよ」
そう言って、机の上に文化祭のパンフレットを置いて、『ここ、ここ。』と指をさす。
窓の外へと逸らしていた視線を仕方なく声の主へと向けると。
そこには案の定チャラチャラした彼らのうちの一人が、机に腕を突いてあたしの顔を覗き込むようにして立っていた。