俺様彼氏はShy Boy?


たくさんの方が訪れて、楽しそうな話し声や笑い声が校内に響き渡っていて。

ここの当番が終わったらどこへ行こう。

そんなことを考えては、入り口のほうへとチラチラと視線を送る。


ミッチャンのところのたこ焼きを買って。

まずは腹ごしらえ。

それから、未来の弟くんのクラスのメイド喫茶にも行ってみたいし、体育館で行われてイベントも覗きたい。


校庭でやってるほかのクラスの模擬店や、軽音部がやってるミニライブ。

演劇部も見に行きたい。


考えるだけでワクワクする。

高校最後の文化祭を、楽しみたいって思うんだ。


だけど、そんなにうまくはいかないみたい。

ずっと我慢していた溜息が、つい零れてしまう。


「ねぇ、ねぇ。ここの場所に案内してよ」


そう言って、机の上に文化祭のパンフレットを置いて、『ここ、ここ。』と指をさす。


窓の外へと逸らしていた視線を仕方なく声の主へと向けると。

そこには案の定チャラチャラした彼らのうちの一人が、机に腕を突いてあたしの顔を覗き込むようにして立っていた。


< 323 / 479 >

この作品をシェア

pagetop