俺様彼氏はShy Boy?


「俺、キミに一目惚れしたんだ」


へえ…そうですか。


「すごくタイプでさ」


それは良かったですね。


「だから、ね?」


ね? って…何?

そう思ったときには、あたしの腕を彼が掴んで無理やり立ち上がらされる。

ガタンっと椅子が倒れる音がやけに響いて、勢いよく立ち上がらされたせいでお腹を机にぶつけてしまう。


「うっ…」


思わずでてしまった声。

その痛みに顔を歪めるあたしなんて無視して、相変わらずニヤリと笑うこいつに怒りがこみ上げてきた。


「離してください!!」


キリッと睨みつけても、動揺の色ひとつ見せない男は。

あたしとの距離をグッと縮めようとするから。

それを拒否るようにあたしは身体を強張らせた。


「いいじゃん、いいじゃん」


この俺が付き合ってやるんだから。くらいの偉そうな男の態度。

いや、全然よくないから。

でも、それを言っても離してくれる気配すらない。

ほんと、いい加減にして。


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