俺様彼氏はShy Boy?
その声に振り返ると、入り口には息を切らしたミッチャンの姿。
肩を上下させて荒い息遣いで、ズカズカと教室の中に入ってくると。
あたしの腕を掴んでいる男の腕をひねりあげた。
解放されたあたしの腕は、そのままミッチャンの制服を掴んで。
ミッチャンの背中に隠れるようにして立った。
男はチッと舌打ちをして、ミッチャンを睨みつけながら教室を出て行った。
他の男たちも一緒に教室を出て行くのを確認してから、ミッチャンから離れてホッと一息ついた。
さすがに教師が見回りをしてる校内で騒ぎを起こしたくなかったのだろう。
ミッチャンに、何もなくて…よかった。
「大丈夫か?」
ミッチャンの少し眉を下げて困ったような表情、あたしはコクンと頷いた。
「未来ちゃんに比奈を助けてって言われて、慌ててきたんだ」
そう言って、ミッチャンが入ってきたほうの入り口を見ると。
そこにはドアにもたれかかるように立っている未来が目に入った。
その瞳は、ホッとしているようでどこかまだ不安定で。
「比奈…」
あたしの名前を呼ぶその声は、微かに震えていた。