俺様彼氏はShy Boy?
「何もされなかったか?」
あたしを見下ろすミッチャンの瞳も、ユラユラと揺れていて。
二人がどれだけ心配して急いで駆けつけてくれたのかよくわかった。
「大丈夫だよ」
二人の不安を取り除くように。
フワリと笑うあたしをの頭に、そっと手のひらを乗せた。
「あんまさ、威勢のいいこと言って突っかかるなよ」
ミッチャンはさっきのあたしの言葉を聞いていたのか、困った顔でそう言った。
突っかかったつもりはないんだけど。
イライラしてたから思わず出た言葉たち。
「良かった、何もなくて…」
そんなに心配されるようなことじゃない気もするけど。
そんなミッチャンの姿を見たら急にさっきまでのことが怖くなってきてしまう。
ナンパなんて今までされたことないし。
あんな軽そうな男に声をかけられたことだって一度もなかった。
だから、うまく交わす方法なんてわからなかったんだもん。
「比奈、ゴメンね」
あたしに駆け寄る未来は、そう言ってあたしに抱きついた。
「どうして未来が謝るの?」
その理由がわからなくて、首を傾げる。
「だって、比奈をここに一人にしたから…」
「そんなの、当番なんだから仕方ないのに。
それに、反対にここに未来が残ってなくてよかったと思うくらいだよ」
未来のほうがあたしよりずっと可愛いから、そっちのほうが心配。
そういうあたしに、未来が抱きついた。