俺様彼氏はShy Boy?
他の着信、メールは海斗からで。
『今どこ?』
『無視すんな』
イライラした海斗が思い浮かび、それがなんだか嬉しかった。
『今、図書室』
簡単な返信。
でも、きっと……
海斗はここに来る。
教室からここまでの距離を考えても、3分以内には来てくれる。
静かだった廊下にバタバタと響く足音は、図書室に近づくにつれてゆっくりとしたものに変わって。
入り口の前でピタリと止まった。
その足音に耳を澄ましながら、あたしは机に突っ伏した。
「何、サボってんだよ」
フワリと香る、爽やかな香り。
背中に感じる重みと温もり。
耳元でわざと喋る海斗の声。
「んっ…くすぐったい…よ……」
海斗の少し長めの前髪が首筋に触れて。
思わず身体をよじって逃げようとしたけれど。
逃がすまいと、ガッシリと抱きしめられた身体は自由を奪われて。
わざと後ろからあたしの耳にキスを落とす。