俺様彼氏はShy Boy?
「あんまり近寄るなよ」
フウッと白い煙を吐きながら、チラリとあたしを見遣るその視線。
「匂いがつくぞ」
制服からタバコの匂いとか、シャレにならないもんね。
先生なりに気を使っての言葉。
あたしは『はーい』と間延びした返事をすると。
先生に近づくことなく、入り口から程近いソファーに腰を下ろした。
少し固めのそのソファーは、決して座り心地はよくはないんだけど。
そのお尻が痛くなるような硬さが、意外と好きだった。
会話も何もないこの時間。
でも、ここは落ち着く。
ベッドに軽く腰をかけて窓の外を見ている先生の横顔と。
先生から吐き出される白い煙を、ボーっと眺めてた。
タバコを1本吸い終わると、先生はゆっくりと立ち上がって大きく背伸びをしてから。
ゆっくりとあたしの座るソファーまで近寄ってくる。
今日の文化祭の中、先生たちが交代で校内の見回りをしていたのを知ってる。
そのせいか、先生の顔がいつもより疲れているように見えた。