俺様彼氏はShy Boy?
「そうだ」
あたしの反応を一通り楽しんだ海斗は、なんでもなかったかのようにあたしの隣に座って、長くてスラッとした足を組む。
ただ座っただけでサマになるから、なんだかムカつく。
「何?」
「ふっ、何怒ってんの?」
結局不機嫌になるのはあたしの方で、ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる海斗を軽く睨む。
本当は、ここに来てくれたことが嬉しいくせに。
今、海斗と一緒にいられることが嬉しいくせに。
素直じゃないあたしは、こんな可愛くない態度しか取れないのだ。
だって。
海斗のその先の言葉が容易に思い浮かぶから。
「今日、一緒に帰れないから」
ほらね。
思ったとおり。
「誰かデート?」
「フッ、気になる?」
ニヤリ、片方の口角を上げてあたしを見据える。
「……別に」
いつものことだ、どうせ女でしょ?
もう慣れた。
でも、あまり気分のいいものではない。
「相談があるんだってさ」
「ふーん」
「仕方ないだろ、頼られたら断れないし」
「……そう」
「どうしても、って美佳がさ」
「…………」
ほらね。
やっぱり、女だった。