俺様彼氏はShy Boy?
「ガキに興味ないけど…」
けど?
「おまえには、興味ある」
「はっ?」
そう言ったまま口を閉じることができないくらいビックリして。
あたしの周りの時間がピタリと止まってしまったかのように、瞬きすら忘れてしまう。
あたしに…興味がある?
どうせ、馬鹿だからとか。
どんくさいからとか。
そんなに深い意味なんてないんでしょ?
じゃなきゃ。
あたしに興味あるとか、意味がわからない。
「からかわないでください」
これじゃあ、昼間のナンパ野郎たちと同じじゃない。
そんな悪態も、動揺の中に隠れてしまう。
先生のことを見ることができなくて。
ユラユラと定まることがない視線をどうしたらいいのかわからなかった。
『冗談』とか『嘘』だとか、言ってくれたらいいのに。
『興味なんてあるかよ、馬鹿か』って。
いつもみたいに、あたしを馬鹿にしてくれたらいいのに。
「おまえに惚れる気持ち、わからなくもないな」
あたしが求めていた言葉とは、まるで正反対の発言に。
心臓が必要以上にバクバクと音を立てて。
あたし、このまま倒れちゃうんじゃないかと思うくらい酸素が足らなくなる。