俺様彼氏はShy Boy?


頭の中、真っ白で。


何も言えなくなってしまったあたしを。

先生はまた、フッと不敵な笑みを漏らした。


「アホ面だな」


誰のせいだよ。

余裕そうな表情で、あたしを見下ろす先生は。

いつもとまったく変わらなくて。


「はぁ…っ」


思わずこぼれてしまった溜息に、


「ま、頑張れよ」


意味のわからない言葉を投げかけてきた。


何を、頑張れって…

そう聞きたかったのに。

もう、あたしに興味がなくなったのか。

あたしに背を向けて、また奥のベッドに腰を下ろしてタバコをふかす。


「…意味わかんない」


ボソッとこぼしたあたしの声は、先生には届くこともなくて。


「教室に戻りますね」


お邪魔しました。と頭を下げて、その場から逃げるように保健室を後にした。


先生、絶対にあたしのことからかって楽しんでる。

あの笑みは、今まで見た中で一番意地悪だったもん。


「……やっぱり、俺様はもう嫌だ」


保健室を出て、閉めたドアに寄りかかる。


今日一日疲れたから、ここで休憩するはずだったのに。

さらに疲れが、ドッとあたしに押し寄せてきた。


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