俺様彼氏はShy Boy?
彼氏? 彼女?
窓から見える校庭は、さっきまでいたたくさんの人たちはほとんどいなくて。
連なってた模擬店のテントが少しずつ畳まれていくのが見えた。
その中にミッチャンの姿も見つけて、相変わらずクラスのムードメーカーの彼の周りにはたくさんの人が集まってた。
ここまで聞こえてきそうなほどの笑顔で、楽しそうな姿にあたしの頬も少し緩んでしまう。
でも、そんな姿が少し羨ましくもあった。
「…優しい彼氏、か」
とっさに出た言葉だったけれど。
あたしの頭の中には、一瞬だけ海斗の顔が浮かんでしまった。
「優しい彼氏だなんて、言えないじゃん」
優しいといえば、ミッチャンのほうがピッタリだと思うし。
もし今度、誰かを好きになることがあるなら。
今度は優しくて、あたしをもっと大事にしてくれる人を好きになりたい。
そう思ってるのに。
頭の中は、やっぱり海斗の顔。
さっきの先生の意味不明な発言も、あたしの頭の中をグチャグチャにしてくれる。
もう、なるようになればいい。
なんて、自分のことなのに他人事のように思ってしまうくらい。
あたしの頭の中はいろんなことがありすぎてパンク寸前だった。