俺様彼氏はShy Boy?


涙目になるのは。

腕が痛いからなのか。

胸が苦しいからなのか。


離された腕には、クッキリと残る指のあと。

その場所を擦りながら俯いた。


「充? 高藤?」

「えっ…」

「それとも違うヤツ?」

「なに、言って…」

「…優しい彼氏」


そのフレーズに、一瞬動きが止まった。

海斗にまで伝わってたその言葉。

確かに廊下にはたくさんの人がいたし。

けっこう大きな声で怒鳴っちゃったから、聞こえててもおかしくはないけど。


まさか海斗まで聞いてたなんて。


「高藤と保健室で何してた?」


まるでこの場所で見ていたかのような言葉。

あたしは俯いたまま、拳をきつく握った。


「…関係ないじゃん」


ヤバイ、声が震えてしまう。


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