俺様彼氏はShy Boy?
「海斗だって、もう新しい彼女いるでしょ?」
「はあ?」
「元カノとヨリ戻したんでしょ!?」
「何言って…」
「あたしが誰と一緒にいたって、誰と付き合ったっていいじゃない」
小さく震える手をさらに強く握って。
「関係ないじゃん」
今度は声が震えないように、ハッキリとそう言った。
こんなことが言いたかったわけじゃないのに。
つくづく可愛くないな、と思う。
本当は、海斗が気にしてくれたことが嬉しいと思うのに。
もしかしたら、未来が言ったとおり海斗はまだあたしのこと……とか、自分に都合がいいように考えちゃってるのに。
海斗があの子に見せてた優しい笑顔が、あたしを素直にはさせてくれなかった。
海斗の隣は、もうあたしの場所じゃない。
そう思い知らされるのが怖くて、逃げてしまう。
「海斗?」
お互いこれ以上何も言葉を発することなく、視線も逸らしたままの気まずい雰囲気の中に。
少し高めの可愛らしい声が、海斗の名前を呼んだ。