俺様彼氏はShy Boy?
言葉は何もなかったけれど。
あたしに向けられた未来の瞳が、少し赤みを帯びてて。
その瞳そ細めて優しく微笑んでくれるから。
鼻の奥がツーンとして。
目頭が熱くなっていくのがわかった。
ポンポンと頭を撫でてくれる未来はやっぱり何も言わなくて。
あたしの前に、コトンっと置かれたオレンジジュース。
「…ありがと」
いつの間に用意してくれたのだろう。
あたしが好きなオレンジジュースを見つめていると、心が温かくなっていくのを感じた。
「それ…」
そう言って、ジュースを指差す。
「今日の比奈、寝不足だから気をつけてやってって」
「えっ?」
未来の言葉に首を傾げていると。
「須藤くんから、だよ」
未来から思ってもいない言葉が聞こえてきた。
そして、少し寂しそうに瞳を伏せて。
「…ホント、寝不足みたいだね。あたし全然気づかなかったのに…須藤くんは一発で見抜いた」
未来の言葉に、瞳を見開いて何も言うことができなかった。