俺様彼氏はShy Boy?


「でも、昨日…比奈が休憩所で男たちに絡まれてるとき。あたしと充くんが入っていったドアじゃないほうに、須藤くんいたんだよ。
男たちをすごい血相で睨みつけてて、今にも殴りかかりそうな勢いだった。たぶん、充くんがあと少し遅かったら…比奈を助けてたのは、須藤くんだったんじゃないかな…って思うんだよね」


あの場所に海斗が…いた?

教室の中にいたあたしからは、入り口を塞ぐ大柄の男しか見えてなかった。

でも、廊下側からは海斗の姿を見かけたのだと、未来は言うんだ。


今まで知らなかったことを、いっぺんに聞かされて。

バクバクと鼓動が激しくて、心臓が破裂しそうだった。


頭の中はまだ理解しきれなくて、グチャグチャのままで。

でも、今ここで理解できるほど冷静ではいられなかった。


海斗は、いつもあたしのことを見ていたって…こと?


「どこにいても、比奈のことならすぐに見つけ出せるのかもね」


海斗も、あたしと同じようにすぐに見つけてしまうってこと?


どんな人ごみの中でも。

海斗を見間違えることはなかった。

昨日だって、あの人ごみの中で海斗のことを見つけてしまった。

海斗も、あの人ごみの中であたしのことを見つけてくれたってことなの?


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