俺様彼氏はShy Boy?
女好き彼氏の特別
「…まったく。出来た奥さんですこと」
放課後。
一人で帰りの支度をしてるあたしのところに近寄ってきた未来は。
教室の後ろの入り口をチラッと見てから溜息を吐いた。
「いつものことだよ」
「さすがだわ」
感心してるのか、呆れているのか。
どちらとも取れそうな未来の表情に。
あたしは引きつった笑みを浮かべるしかなかった。
未来は海斗のことをよく思っていない。
根が真面目な未来には、軽すぎる海斗の行動が理解不可能で受け付けないのが見ていてわかる。
どこがいいの?
浮気されて泣かされるのがオチだよ?
傷つくのは比奈だよ?
あたしが海斗と付き合ってることを知ったときの未来の言葉。
言われなくてもわかってる。
でも、好きなんだ。
どうしようもない奴でも嫌いになれない気持ちを、未来だってわからないわけではないから。
最近では『別れたら?』とは本気で言わなくなったけれど。
海斗に対しての不信感や嫌悪感は、未だに持っているのは見ていてわかった。
「まあ、海斗だし? そう簡単には治らないってわかってるから」
仕方ないよ、と笑うあたしを見て、未来は盛大な溜息を吐いた。