俺様彼氏はShy Boy?


「見つけと言うより…比奈のことが心配で、あの場所から見守ってた…」


ミッチャンの言葉を思い出す。

あたしが今まで、変な男に絡まれなかったのは海斗がいつもそばにいてくれたからだって言ってた。


まさか…


そばにいなくても、あたしを変な男たちから守ろうとしてくれてた?


頭の中が、余計にグチャグチャになる。

わからない。

わからないことがたくさんありすぎて、どうしたらいいのかわからない…


「わからないから、ちゃんと話したほうがいいって言ってるの」

「でも…」

「でも、何? 比奈はこのまま逃げたままなの?」


何も言えない。

だって、それは図星だから。


「あぁ、もう!! だからイライラするんだって。
比奈、よく聞いて。須藤くんが教室でキレたのは、美佳が比奈のことを尻軽女みたいに言ったからだよ。
美佳は、比奈が須藤くんと曖昧なまま、高藤先生と親密になっていくのが面白くなかった。
美佳は須藤くんにも、高藤先生にも相手にされなくて。だから、比奈のことを目の敵にしてた。あの二人にチヤホヤされてる比奈に嫉妬してたんだよ」


未来は何もかもを知っていたのかもしれない。

でも、あたしが何も相談しなかったから。

何も話をしなかったから、何も言わずに見守るしかなかったのかもしれない。


変に話したところで、あたしが混乱するだけだって。

あたしの気持ちがわからないから、下手に話せなかったって。


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