俺様彼氏はShy Boy?
「だからって、須藤くんと寝たっていうのは許せないけど。
でも、それだって…須藤くんの口からちゃんと聞いたわけじゃないじゃない」
そうなんだ。
あたしは何かを言おうとした海斗を拒絶した。
何も聞きたくないと、両耳を塞いでしまった。
「もうダメだとしても、ちゃんと話してケジメつけないと。いつまでたっても比奈は前に進めないんじゃない?
今のままじゃ、比奈はずっとこのままだよ」
このままウジウジしてる比奈なんて、嫌い。
そう言った未来は、目を真っ赤にして今にも泣き出しそうだった。
そんな未来を見て、胸がぎゅうっと締め付けられていく。
胸元を押さえて小さく震えるあたしのその手を。
未来は身体を乗り出して、ギュッと掴んだ。
「未来…」
「比奈が海斗くんと向き合うまで…絶交する」
「えっ…?」
「今のままの比奈を見てるのは、正直、ツライんだ。――…だから、絶交」
未来はあたしの手を離すと。
その後はあたしの顔を見ることなく図書室を出て行った。
一人残されたあたしは、ただ呆然と入り口を見つめるしかできなかった。
まさか、未来にそんなことを言われると思わなかったから。
あまりに突然すぎて、何も考えられなかった。
だけど、去っていく未来の瞳に涙が零れ落ちそうだったことに気がついて。
未来は本気なんだって、わかった。