俺様彼氏はShy Boy?
海斗の名前が出ただけなのに、信じられないほど鼓動が速くなった。
まだ頭の中で整理できてないせいで、なんて答えたらいいのか迷ってしまう。
ミッチャンを見ることもできずに、ただ真っ直ぐに前を見つめていると。
ふと視線に飛び込んでくる女の子。
昨日見た海斗の彼女だった。
今日は海斗と一緒じゃないんだ。
そう思うと、なんだかホッとした。
やっぱり、まだ二人一緒にいるのを見るのはツライから。
「あ、保坂!!」
ボーっとしていたあたしに、今度は後方から聞こえてきた声。
振り返れば、そこにはクラスメートの男の子が息を切らしながら走ってくるのが見えた。
はぁはぁ、と肩で息をしながら額にはじんわりと汗をかいている彼は、少し機嫌が悪いみたいで思わず後ずさりしてしまう。
「なぁ、海斗知らねぇ!?」
「どうしたの?」
「あいつ、また時間になってもこねえし。ケータイは電源切ってるし、ったく」
チッと舌打ち。
イライラがそのまま声に出て、かなりの早口で言葉を吐き捨てた。
「マジ、どこ行ったんだよ」
眉間にシワを寄せて、そのまままたどこかへ走っていった。
そんな彼を立ち止まったまま見つめてた。
海斗…またサボってるんだ。