俺様彼氏はShy Boy?
緊張なのか不安なのか、スカートを握りしめていた手が震えだす。
さっきの今で、そんなの急すぎる。
あたしの動揺が、そのまま顔に現れて。
引きつっていく頬に、ユラユラと揺れてしまう瞳。
無理だ。
だって、怖い。
「比奈!!」
ガシッと掴まれた両肩に鈍い痛みが走った。
痛みと驚きで歪むあたしの顔を覗き込むミッチャンは。
なぜか優しく笑ってた。
「大丈夫だから」
何が? なんて聞くことはできなかった。
ミッチャンのその顔と、その言葉は。
不思議とあたしの緊張をほどいていく。
「大丈夫だから」
もう一度そう言った。
あたしはグッと唇を噛み締めて、瞳を閉じて俯いた。
「……ミッチャン」
「ん?」
「あたし……」
俯いていた顔を上げて。
ミッチャンを真っ直ぐに見つめる。
「――…行ってくるね」