俺様彼氏はShy Boy?
「…未来」
あたしの呟く声なんて。
この騒がしい校内ではすぐに掻き消されてしまったはずなのに……
未来と、一瞬だけ目が合った。
だけど、それ視線はすぐにあたしから離れていって。
周りにいた友だちとまた楽しそうに話し出した。
「…未来」
いつも当たり前のようにあった笑顔が、今はこんなにも遠い。
未来がどんな気持ちであたしを突き放したか…
ミッチャンに言われた言葉を思い出して、泣きそうになりながらもグッと涙を堪えた。
苦しいのは、あたしだけじゃないんだ。
さっきの未来の顔を見て、ハッキリわかった。
悲しそうな瞳が一瞬だけ笑みを作ってくれたこと。
その笑みがさらにあたしの背中を押してくれた。
海斗と今度こそちゃんと話をしよう。
そう決心させてくれた。
「行かなきゃ…」
この決心が揺るがないうちに。