俺様彼氏はShy Boy?
「また、当番サボったでしょ…」
やっぱり、何も答えない。
だけど、不思議と居心地は悪くなかった。
「さっき、すごい血相で海斗のことを探してたよ?」
行かなくていいの?
そう続けても、海斗は何も答えなかった。
小さな溜息一つ。
何をどう話したらいいのかわからなくて、頭の中フル回転させる。
今さら、美佳のことを聞くのも違う気がするし。
だからと言って、彼女のことを聞くのにも勇気がいる。
じゃあ、あたしはここに何しにきた?
前に進むために、あたしは何をすればいい?
「はぁ……」
また、溜息。
未来にイライラするって言われたばかりなのを思い出して。
慌てて口許を押さえた。
「溜息ばっかだな」
また聞こえてきた、抑揚のない声。
チラリと海斗を盗み見しようと視線を左に流すと、バチッと音を立てて目が合った。
あの日の放課後のように。
あたしのことなんて見てくれないと思ったから。
海斗と合った視線に、少しは治まったはずの鼓動がまたバクバクと暴れだした。
目を逸らしたのはあたしだけで、海斗の視線を痛いほど感じる。
それが落ち着かなくて、伏せてしまった顔を上げることができなかった。