俺様彼氏はShy Boy?


「あれ?」


あと数メートルで目的地だ、というときに。

前方を見て未来が零した言葉。


その視線の先には見知った顔の二人がいた。

カラオケボックスの入り口近く。

多くの人が行きかう中に見つけた同じ高校の制服を着た彼らに、未来の落ち着きがなくなったことに気がついて。

思わず口許が緩んでしまう。


その人たちはまだあたしたちに気がついてないみたいで、何か話をしてるみたいだった。

カラオケボックスの前で立ち止まってるところを見ると。

寄って行くかどうかの相談というところか。


「二人もカラオケ?」


声をかけたあたしたちに、振り返った彼らは笑顔で。


「そっちも?」


ニカッと笑うこの人、結城充。

充ことミッチャンの問いに『うん』と答えれば。


「良かったら一緒にどう?」


爽やかな笑顔で誘ってくれるこの人は白井拓也くん。


「うん、賛成! ご一緒しましょ」


嬉しさのあまり、ピョンピョンと飛び跳ねる未来の笑顔がキラキラして見える。


< 39 / 479 >

この作品をシェア

pagetop