俺様彼氏はShy Boy?
「あれ?」
あと数メートルで目的地だ、というときに。
前方を見て未来が零した言葉。
その視線の先には見知った顔の二人がいた。
カラオケボックスの入り口近く。
多くの人が行きかう中に見つけた同じ高校の制服を着た彼らに、未来の落ち着きがなくなったことに気がついて。
思わず口許が緩んでしまう。
その人たちはまだあたしたちに気がついてないみたいで、何か話をしてるみたいだった。
カラオケボックスの前で立ち止まってるところを見ると。
寄って行くかどうかの相談というところか。
「二人もカラオケ?」
声をかけたあたしたちに、振り返った彼らは笑顔で。
「そっちも?」
ニカッと笑うこの人、結城充。
充ことミッチャンの問いに『うん』と答えれば。
「良かったら一緒にどう?」
爽やかな笑顔で誘ってくれるこの人は白井拓也くん。
「うん、賛成! ご一緒しましょ」
嬉しさのあまり、ピョンピョンと飛び跳ねる未来の笑顔がキラキラして見える。