俺様彼氏はShy Boy?
それでも貴方が
気がついたら夕日がだいぶ傾いてきていた。
しばらく沈黙が続いて。
膝の上でギュッと握った拳をただ眺めているだけで、お互い何も言葉が出ない。
チラチラと海斗を気にしてみても。
海斗は微動だにしない。
その横顔からは、何を思っているのかわからない。
ねえ、海斗は何を考えてるの…?
もともと言葉の少ない人だった。
それが当たり前で、会話なんかなくたって気にならないくらい海斗の隣は居心地のよかったはずなのに。
今は、いろんな思いが頭の中を駆け巡ってソワソワ落ち着かなかった。
何か言って欲しくて。
ちゃんと言葉にして欲しくて。
そうじゃないと、海斗の思ってることが。
海斗の気持ちが…
全然わからないよ。
「…海斗…」
「俺は…」
思い切って話しかけてみれば、あたしたちの声が重なる。
お互い躊躇して。
でも、言葉を続けたのは海斗のほうだった。