俺様彼氏はShy Boy?
想いが伝わるとき
「ごめん、な」
眉を下げ、切なさの残る瞳があたしを見つめたまま、もう一度、あたしの髪を掻きあげた。
「海斗?」
「美佳に何された?」
気づいてやれなくてゴメン、と。
海斗の言葉に、首を左右に振る。
「美佳のこと、疑ってただろ? 美佳に何言われた? その痣…何された?」
「たいしたことじゃない、よ」
あたしはまた首を左右に振る。
「でも、一つだけ教えて…?」
海斗の目をしっかりと見つめたまま。
海斗の腕を握るあたしの手に、微かに力が加わった。
静か過ぎるこの場所では、緊張してドキドキしてる鼓動が聞こえてしまいそう。
ずっと気になってた。
信じたかった。
海斗が、あたしを裏切るようなことしてないって。
だけど、怖くて聞けなかったことを今聞こうとしている。
「美佳と、寝てないよね?」
あの日保健室で逸らされた視線は、今は、一瞬でも逸らされることなく。
海斗の真っ直ぐで真剣な瞳があたしを見つめていた。
「そんなのありえない。…俺は比奈以外に興味ない」
その瞳は、嘘をついているようには見えなかった。
その言葉を、素直に信じてみようって思わせてくれるほど真っ直ぐな瞳だった。