俺様彼氏はShy Boy?
「海斗にはもう、新しい彼女がいるってわかってる。もう、あたしのことなんてなんとも思ってないことも。でもね、片思いだっていいって。海斗のこと好きなのを無理には消せないから…
だから、海斗のこと好きなままでいようって決めたの」
迷惑かな?
そう言って微笑むあたしを見て、海斗は驚いたように瞳を見開いて。
「…ち、ちょっと、待て」
動揺しているのか、瞳がユラユラと揺れて落ち着きがなくなっていくのがわかった。
反対にその海斗の瞳の中に映る自分の姿は、思った以上に堂々としていて。
何かを吹っ切れたように、気持ちも軽い。
「それだけ伝えたかったの。あたし、ちゃんと海斗が好きだったよ。どんな海斗だって、変わらず好き…」
ねぇ、ちゃんと笑顔で言えたかな?
「今までありがとう。一緒にいてくれて、優しくしてくれて、ホント…幸せだった」
「比奈……」
「じゃあ、あたし行くね。あーっなんかスッキリした。ちゃんと言葉で伝えられたからかな、これであたしも前に進める気がする」
前って言っても、海斗に片思いするってだけで、あたしの気持ち事態は変わることはないけど。
それでも、無理にこの気持ちを押し殺して笑ってたさっきまでの自分より、堂々と海斗のことが好きだと言える今の方がずっと気持ちが楽だった。