俺様彼氏はShy Boy?


ゆっくり身体は解放されて。

あたしから離れた海斗は、自分の前髪に指を通して情けなく引きつった笑みを浮かべた。

あたしから一瞬だけ逸らされた瞳。

でも、すぐに戻ってきた海斗の瞳は真剣な色であたしを真っ直ぐに捕らえた。


「俺やっぱり……」


海斗の喉仏が上下して、ゴクリ喉が鳴らした。

優しく細められた瞳。

微笑んでいるはずなのに、泣いているように見える目の前の海斗。


「比奈が、好きだ」


海斗の手が、そっとあたしの頬に触れた。


馬鹿だなぁ…ホント。

先生の真似なんてしなくても、自分を隠して偽りの姿でかっこつけなくても。

あたしは、そんなの関係なかったよ。


あたしが離れていかないように?

あたしの理想の男になる?

そうするしか思い浮かばなかった…って…


「あたし海斗が先生みたいじゃなくても、海斗のこと好きになってたよ…」


「そんなのわからなっ――」
「わかるよ!!」


海斗の胸をグッと押して、あたしの身体を無理やり海斗から引き離す。

そして、海斗の胸元をギュッと掴んだまま、力強い眼差しで海斗を見上げたんだ。


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